探偵うんちく「スコッチウイスキー」_六本木探偵バーANSWER

スコッチウイスキー(Scotch whisky)

ウイスキーの起源、種類と進んで、今月はさらにもう少し細かく紹介していきたいと思います。
スコットランドで造られている、世界5大ウイスキー「スコッチウイスキー」です。

どういったものをスコッチと呼べばいいのかということについては、英国でスコッチウイスキー令というものがあり、法律により以下のように決められています。

1、スコットランドの蒸留所で造られ、大麦麦芽と水のみ(全粒ならば他の穀物を加えてもよい)を原料としたもののうち、以下の条件を満たすもの。
 ・その蒸留所内にてマッシュ(糖化)されたもの。
 ・細胞の同化系の酵素だけを用いて、発酵可能な基質に変換(糖化)されたもの。
 ・酵母(イースト)の添加のみによって発酵させたもの。
2、原料の大麦麦芽や生産の手法から得られる風味を損なわないよう、エタノ-ル濃度(アルコール度数)94.8%未満で蒸留されていること。また第4条は下限を40%と定めている。
3、スコットランドの保税貯蔵庫に3年以上寝かせること。樽は700リットル以下のオーク材でなければならない。
4、原料や、生産・発酵の手法から得られる、色・香り・味を保っていること。
5、添加が許されるのは、水および色づけのためのカラメル色素のみである。

「スコットランドの蒸留所」で蒸留し、「スコットランドにある貯蔵庫」で熟成させる。
場所というのは法律で定めるくらいとても大切なものなのです。
もちろん技術的な面と、利益的な面など、一概にウイスキーを純粋に愛する以外の思惑も当然にあったことと思います。
なぜならウイスキーはイギリスの五大輸出品目の一つですから、国益と言っても過言ではありません。
それだけ大切なものであるからこそ、「どこの国で造られたのか」という部分は大切なのですね。

前月のコラムでも少し触れた、バーボンによく分類されてしまう「ジャックダニエル」も、作られている場所がテネシー州ですから、本来はテネシーウイスキーです。
バーボンと製法がほとんど同じであるということや、日本では「テネシーウイスキー」よりも「バーボンウイスキー」の方が圧倒的に知名度があったため、分かりやすいだろうと一緒くたにしてしまうバーが多かったのだとか。
バーボンやテネシーウイスキー好きな人にとっては「違うのに!」と声を大にして言いたいことだと思います…。

また、最低でも3年は寝かさないとスコッチとは呼べません。
ウイスキーは10年~12年熟成頃からおいしくなるとも言われているので、流通しているお酒のスタンダードな年数は10年や12年が多いように思います。
ちなみにラベルによく書かれている「年数」ですが、これにも決まりがきちんとあります。
年数が書かれていることから「10年寝かせたもの」という意味合いだけだと思われがちですが、実際はそうではなく、「○○10年」という一つの種類なのです。
「10年寝かせたもの」という意味合いだと、樽によって味がまちまちになり、売り出す時に瓶によってそれぞれ味が異なってしまいます。
しかしそれでは商品として成り立たない(そうした風味のぶれが良いという方もいますが、品質の安定という意味で、やはりとても大切なのです)ので、「○○10年の場合はこうした味にしよう」という味の決まりがあるのです。
この味を調整しているのが「ブレンダー」と呼ばれる人で、ウイスキーの様々な年数の味を決めています。

とはいっても、年数表記はこれ以外にも決まりがあります。
「10年」と書いてあるのに、3年とか4年とかのウイスキーも混じってるの?と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
この年数表記は「最低この年数寝かしたウイスキーで味を調整しているよ」という意味でもあるのです。
つまり、10年の味を作るために、10年以上のウイスキーが使われているということです。 そう考えると贅沢な気がしてきませんか?

スコッチには、前月のコラムで紹介した原料による違い「モルト」と「グレーン」の二種類があります。
モルトは個性と風味が豊かなためそれひとつで味わうのに適していて、グレーンは大人しい風味なので何かと掛け合わせると美味しいとされています。
モルトとグレーンを合わせたブレンデッドウイスキーは、モルトとグレーンの良い所を取って、バランスが良いようです。
ブレンデッドは、モルト65%、グレーンが35%くらいの割合が目安だそう。

これも別にどれがダメ、良いというわけではないです。
モルトやグレーンの評価をした人も、その人の味覚で判断しているわけです。
だからどのお酒でも、飲みやすい、好きだなと思える味ならオールオッケーなのです。
癖の強いお酒が好きな人はモルト、そうでない場合はグレーンへ行くにつれて飲みやすくなっている…と思います。

スコッチにはモルト、グレーンという二種類がある。
そしてそしてさらに、その中の「モルト」にも、製造工程に合わせてまた種類が分かれています。
「カスク」って言う名前がついたスコッチ、見たことありませんか?
そして標準のものに比べて度数がえらい高い。
名前を見ると、どういった種類のものなのかが分かるようになっているんですね。
大まかに説明すると以下のようになります。

シングルカスク
1つの樽から作られたモルトウイスキーのみを瓶詰めしたもの。

ちなみに「カスクストレングス」って言葉を聞いたことがあると思います。
シングルカスクとカスクストレングスを混同してしまう方も多いのですが、シングルカスクは「一つの樽から作られたモルトを瓶詰したもの」です。最終的に加水して度数の調整をしても良いのです。
しかし、「カスクストレングス」とは、加水をしていないものの事を指します。
つまり一つの樽だけでボトリングすることもありますが、複数の樽を合わせてボトリングすることもあります。
熟成させている樽の中には、出来の良いもの悪いものとばらつきがあるのはどうしても仕方のないことです。
出来の良い樽のものを加水してしまうのはもったいないという考えから「カスクストレングス」が出来たということです。
そのため、シングルカスクであり、カスクストレングスのものも多いため、ごっちゃになってしまったという事なのだと思います。
シングルカスクではあるが、カスクストレングスではないということもあるので、ご注意ください。

シングルモルト
1つの蒸留所で作られたモルトウイスキーを瓶詰めしたもの。

ヴァッテッドモルト
複数の蒸留所で作られたモルトウイスキーを混合して瓶詰めしたもの。

ピュアモルトなんていう言葉もありますが、現在、先に説明した「スコッチ令」によって、ピュアモルトと表記することは禁止されています。
ただ、スコッチで「ピュアモルト」と言われたら、ほぼ間違いなくシングルモルトを指していると思います。

もちろんモルトだけでなくグレーンでも「シングル」「ヴァッテッド」という分類はあります。
ただ、グレーンウイスキー自体が個性の少ない味わいのため、そうした分類はしてもあんまり意味無いよね、といった風潮があるようで、流通量はものすごーく少ないようです。

そしてもちろんスコットランドの中でもさらに細かく分けた産地によっても呼び名が異なります。

が。

長くなっちゃったので、また来月。

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