成人して間もない頃、私はどうにもビールが苦手でした。
理由はいくつかあります。
ビールと言えば大人の飲み物。
まだ私が小さい頃に見た、羽目を外しすぎてしまった大人たちの姿が焼き付いていたこともあり、その原因となるアルコールというものに抵抗を感じていました。
また、私は炭酸が苦手でした。
シュワシュワと口内を叩き回り、喉を通る時の辛いあの感じが好きになれなかったんです。
そして最後にホップの苦味。
今思えば最後の問題は上記二つの心理的要因のせいで過剰に感じられていたのだと思いますが、諸々の理由から美味しさを感じず、ビールを敬遠していました。
そんなこんなでビールは何となく好きになれないまま探偵になりました。
うちは探偵バーをやっている以上、お酒の事を深く知る必要があります。
先輩からは「習うより飲め」というただの呑兵衛のような教訓を教わっていたため、とにかく同期とバーへ行く機会を増やすことになりました。
同期「とりあえず、ビール飲む?」
私「実はビール苦手でさ…違うのでも良い?」
同期「もちろん。でもそれだと、バー大変じゃない?」
私「そうなんだよね。ビールは克服すべき試練なんだよ」
同期「ビールが苦手な人でも飲めるカクテルがあるよ」
私「え!そうなの?」
・・・前置きが長くなりました。
そこで知り合ったのが、今回ご紹介するカクテルです。
「シャンディ・ガフ」
シャンディガフとは、ビールベースのカクテルです。
ビールとジンジャーエールを半分ずつで割ったものです。
ビール特有の苦みをジンジャーエールが和らげて、すっきりとした生姜の風味でさっぱりと飲めるようになるのです。
ビールが好きな方は「ビールの旨みが損なわれる」と敬遠される方もいらっしゃいます。
つまり反対に、ビールが苦手な方にとってはとてもさっぱりとビールを楽しめるようになるのです。
ちなみに私は、シャンディガフに出会ってからビールが飲めるようになりました。
ビールが飲めるようになってから、シャンディガフを益々好きになりました。
あっさりした飲み口はビール初心者にはうってつけですし、飲み始めのアルコールとしても優等生だと思っています。
シャンディガフを紹介するに当たりその名前の由来などを調べようと思いましたが、なんと不明だそうです。不明じゃ仕方ない。
ウイスキーなどのお酒と違い、カクテルはその由来や作られた経緯がそこまで広まっていないものも多いんです。
というわけで、探偵エピソード多めでお送りしました。
夏場にビールももちろん良いですが、たまにはカクテルのシャンディガフもいかがですか?
キンキンに冷やしてお待ちしております。
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