探偵に入りたての頃、お酒を覚えるのに必死な私に先輩探偵は言いました。
「好きなものから覚えてけばいい」
当時、お酒は飲めるものの、まだそこまでアルコールが好きではなかった頃。
バーへ飲みに行くけど、どれもこれもが同じに感じられてしまう。
アルコールがどうにも苦手で、受け付けられない。
味は嫌いじゃないけど、たくさん飲めない。
アルコールが好きじゃないのかも?
バーテンダーなのに、好きじゃなかったらどうしよう…。
まごまごと悩んでいた時に、先輩探偵からかけられたのが冒頭のセリフなのでした。
好きなものからでいいんだ。
その当たり前のことに気づいて、だいぶ救われました。
私が大好きだったのは、ガリアーノです。
あの特徴的なフォルムと液体の綺麗な色に一目惚れしたのがはじまり。
飲んでみるとバニラの香りが香り、お菓子を食べているような気持ちになりました。
それから、ガリアーノのカクテルを調べて覚えることにしました。
先輩探偵にも手伝ってもらい、味を覚えるために一番初めに知ったカクテル。
それが、ゴールデンキャデラックとホワイトサテンでした。
なんで二つかっていうと、同じベースのカクテルでも味が微妙に違います。
その微妙な味の違いを知り、何を入れればこんな味になるんだというのを知るために二つ作ったんですね。
材料はそれぞれ以下。
ゴールデンキャデラック
・ホワイトカカオリキュール
・ガリアーノ
・生クリーム
上記を1/3ずつでシェーク。
ホワイトサテン
・コーヒーリキュール
・ガリアーノ
・生クリーム
上記を1/3ずつでシェーク。
材料はほぼ一緒。
見た目もほぼ一緒。
しかし味は違います。
どちらも甘いのに間違いはありません。
カクテルの名前に合わせて、ホワイトサテンはハードシェークで泡立ててあげると、口触りがより滑らかになって良いと思います。
カクテルのイメージや印象、出す時の相手の様子に合わせて多少分量を変えて提供し、いつも美味しく飲めるように。
今でもこのカクテルを飲むと、その当時先輩探偵が教えてくれたことがよみがえります。
お酒を好きになるには、お酒を好きな人と話をするのが一番なんだなと思いました。
ツイート
探偵BAR ANSWER all rights reserved