直訳すれば「青い月」。
ロマンティックで、かつセンチメンタルなイメージを醸しだしているネーミングですが、このカクテルにこの名前が付けられた所以はご存じでしょうか。
英語には、こんなことわざがあるそうです。
"to say that the moon is blue"―「月が青いと言う」
そしてそれが意味しているのは、「ばかげたことを信じている」ということ。
ブルームーン(blue moon)という名前はここからきているらしいのです。
実際は大気の状態により青く見える時もあるのですが、それは凄く稀なこと。
だいたい2,3年に1度と言われています。
なので「滅多にない事」という意味でも使われるようです。
青い色を出すのに使われるのは、バイオレットリキュール。
当店では「パルフェタムール」を使用しています。
基本的なレシピはこちら。
ドライ・ジン 1/2
バイオレットリキュール 1/4
レモンジュース 1/4
意外とアルコール度数の高いカクテルではありますが、その美しさと口当たりの良さに惹かれ、女性でも頼むことが多いカクテルの一つです。
ただし、一緒にいた女性がオーダーしたら要注意。
パルフェタムール(=完全な愛)+「滅多にないこと」とプラスに捉えるのは尚早。
「できない相談」、つまりお断りの暗喩として用いられることのほうが断然多いのです。
もしオーダーされてしまったら・・・素直に引き下がりましょう。
相手がスマートに返しているのですから、こちらもスマートに。
ちなみにこのカクテル、最古のレシピはこうでした。
ゴードン・ジン 4/5
アニゼット 1/4
ジェット 1tsp
アニゼットとはアニスのリキュール。
そしてジェットはミントリキュールです。
アニゼットは無職透明ですが、ジェットは緑。
想像してみると・・・青色にはなりませんよね?
そう、この「ブルームーン」は、青ならぬ緑の月だったのです。。
冒頭のことわざと同じ意味を表すもので、こういった言い回しがあります。
"to say that the moon is made of green cheese"―「月が緑のチーズで出来ていると言う」
月がチーズで出来ているということと、緑のチーズという2つの要素が。。
ここから捻って、最初のレシピを考えたのでしょうかね。
その後、レシピは二転三転・・・どころか四転も五転もしたのですが、同名で、あるカクテルコンペティションの優勝をさらったのは以下です。
ジン 2/5
ブルーキュラソー 1/5
コアントロー 1/5
パイナップルジュース 1/5
レモネード
もはやショートカクテルですらなくなり、レモネードでUPするというロングカクテル。
ただ、バイオレットリキュールを使わないレシピで作る人は、この他にも大勢いるよう。
海外では、ブルーキュラソーを用いるのがメジャーになったそうですよ。
こんなにもバリエーションが豊富ですが、でもやっぱりバイオレットを使ったものが「ブルームーン」らしさ満載ですよね。
紫がかった青色も色気があって素敵ですし。
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