世界三大蒸留酒というのをご存知でしょうか?
そもそも「何某三代なんちゃら」ってのは誰が決めるわけでもないもの。
学生の頃「四大文明は―」みたいなのを習いましたが、あれだって誰かが勝手に決めつけているだけでしょ!?
恐らく三大蒸留酒ってのも誰かが勝手に言い始めたものだと思いますが...。
ウィスキー。
これは外せないですね。なんせ一番種類があって世に浸透していますからね。
ブランデー。
まぁこれも古くからありますし、蒸留酒の元みたいなもんですから分らんでもないです。
さて最後の一つなんですが...。
ラム。
違います。
ジン、ウォッカ、テキーラ。
違います。
意表をついて焼酎!!
おしい!ひとし君人形!
この世界三大蒸留酒は中国の酒である白酒というもんらしいんです。
見たことも飲んだことも無い人は多いでしょう。私もバーで働くまで聞いたことすらなかったですから。
中国だと有名なのは紹興酒。老酒や赤酒ってのが有名ですね。
白酒は茅台酒(マオタイ酒)ってのが有名かと。この茅台酒が世界三大蒸留酒なのだとか。
原料は高粱。高粱を発酵させ、蒸留したのが白酒ってやつなんです。
でましたー。また意味不明の単語~。
高粱ってなんだよ。読めねぇし。
コーリャン=モロコシ(イネ科の植物)
いまいちピンとせず、またこれが世界三大蒸留酒に含まれているのが納得できないのですが、これが現実です。
さてこの白酒。マオタイ酒やら高粱酒やらといろんな名前があります。
同じ原料でも作り方や地域により名前が変わるようです。日本酒でも普通酒や純米酒、吟醸酒等々、種類で変わりますので同じようなものです。
つまり、味もピンからキリまであるんです。
マオタイを代表とする高級酒もあれば、どこぞの低所得者が呑むような白酒もあります。
私がこの酒に出会ったのは、友人が中国のお土産で買ってきたときです。
中国で呑んだマオタイがえらく気に入って、それで白酒を買ってきたのだとか。
一瓶500ミリリットル。お値段は500円。アルコール度数56度。
中国語で何か書いてあるのですが、全く読めません。
せっかく買ってきたので飲んでみましたが...。
某は多少香りの強いお酒やクセがある方が好きなんです。
例えばウィスキーで言えばアイラ。ヨード香が強いラフロイグなんかを好んで呑んでいました。
焼酎では減圧蒸留ではなく昔ながらの常圧蒸留で造ったのが好きで、麦焼酎では特蒸泰明や兼八などクセの強いのが好きなんです。
このお土産でもらった白酒。たしかに香りが強いのですが...。刺激臭というかなんというか...。
ただの罰ゲームとしか思えないような臭さなんです。
先のコラムで青ヶ島焼酎を書きましたが、次元が違うというかワールドワイドというか中国四千年ってのはすごいんだなぁと痛感しました。
そうなんです。イタイ味がするんです。
度数も高いため呑みづらい。
匂いも臭いため呑みづらい。
そんなお酒なんです。
さて、バーテンダーたるものこのお酒を何とか飲めるようにしなければなりません。
カクテルは当時粗悪なアルコールを如何においしく飲むかを考えた結果生まれたと聞いております。
つまりこの刺激的な白酒をどーにかこーにかして飲める酒にするのがバーテンダーとしての使命なのです。
と、いろいろと混ぜてみましたが、何をするにも白酒が全ての味を殺してしまいます。
唯一コーラでアップした時にこれなら何とか呑めそうとはなったのですが....。
バーテンダー失格です。ひたすら作りましたがギブアップでした。
≪結論≫
超絶臭いお酒が好きな人も中にはいる。つまり好きな人が呑めばよい。一番オススメの呑み方はストレートで。
嫌いな人は呑まなければよい。ただそれだけ。アイラが苦手な人もいるわけで、わざわざ特徴を殺してまで呑む必要は無いんです。
ちなみに中国ではこの白酒を乾杯に使うそうです。乾杯という言葉の通り「杯」を「乾かす」必要があります。つまり一気飲みが必要なのです。
それが礼儀とのこと。乾杯をしたら一気飲みをし、空になったことを証明するために「さかずき」を逆さにするのだとか。
しかもひとりひとり挨拶のたびにそれをするそうです。日本であればビールや日本酒などの比較的度数の低い酒で乾杯をしますが、中国では50度近い酒でそれをするそうです。やっぱりちゃんと飲まないと「S・O・S・O・そそう」なんて粗相コールされちゃうんですかね。。。
※以前、当店では白酒がございましたが、需要が低く、頼んだ方からの苦情が多かったためメニューから外しました。
復活するとしても、次回はマオタイを入荷致します。
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