このお酒コラムは毎月何人かの探偵が更新しています。
毎月毎月、この月にどんなお酒を紹介しようかな?
それとも今とにかく話したいお酒のうんちくにしようかな?
等と毎月楽しく頭を悩ませているのです。
そして今回。
冬にふさわしいカクテルってなんだろう?と考えて今回ご紹介したいのは、こちら。
ホワイトレディ。
名前からしてすでに美しい。
冬でなくても良いんですけど、カクテルグラスに雪のように真っ白な液体が注がれる様を見ると、冬のイメージなんですよね。
飲み口はさっぱりしているので、夏場に飲まれる方も多いのではないでしょうか。
このホワイトレディ、名前の由来はいくつかあるようですが、私は断然イギリスのヴィクトリア女王をイメージされているという案を採用しています。
ヴィクトリア女王と言えば、ウェディングドレスに白を用いた最初の人でもあります。
年代で言うと1840年。
200年にもわたって、純白のウェディングドレスを着た幸せな花嫁たちを生み出すことにもなったわけですから、その功績だけでも本当に素晴らしいことです。
白い色というのは、汚れが目立つし、何より精錬潔白なイメージが強く付きまとうので、苦手とする方もいらっしゃるようです。
自分には似合わないとお考えになられている方が居るのだとしたら、本当にもったいない。
似合う色、似合わない色なんて女性には本来ありません。
その人を強く表す色があるとは思いますが、白はそういった意味ではその女性らしさをとても表現できる色だと思います。
ただし、アルコールがやや強いカクテルでもありますので、隣に頼れる友達やパートナーがいる時に飲まれると良いかなと思います。
ところでこのホワイトレディ、今ではドライジンがベースとして作られていますが、当初はペパーミントリキュールがベースでした。
考案者は、1919年、ハリー・マッケンホルン氏。
彼は当時のヨーロッパで一番のナイトスポットと呼ばれていたロンドンの「シローズ・クラブ」で働いていた頃から、名バーテンダーとして知られています。
「シローズ・クラブ」で働いていた頃にホワイトレディを考案。
その後、彼がパリの「ハリーズ・ニューヨーク・バー」にうつった後にベースをドライジンに変えたことで、広く愛飲されるようになりました。
更に言うと、彼はジンをブランデーに変えて「サイド・カー」も考案しています。
こちらの名前の由来は、いつもサイドカーに乗ってくる常連客から名付けたということです。
今のスタンダード・カクテルをいくつも考案している彼と、その彼の作ったお酒を愛した常連客のお酒に対する愛が伝わってきます。
今も残っているカクテルというのは、その味だけでなく、考案したバーテンダーと、それを広めた常連客あってこそと思います。
考案したのはホワイトレディが先と考えられていますが、サイドカーのバリエーションであるとも考えられ「ジン・サイドカー」とも呼ばれています。
この辺りは推測にしかなりませんが、サイドカー好きの常連客の個性が強かったのかな、と考えると微笑ましい気持ちになります。
ちなみにホワイトレディの味は、ジンのジェニパーベリーの風味がレモンの酸味とマッチして清涼感を醸し出し、コアントローの風味で柔らかい口当たりとなっています。
カクテルの由来は様々で、どれが本当かは今の私たちには知る由もありません。
しかし、だからこそ、その時の状況に合わせて色々考えながらカクテルを楽しむのも一つだと思います。
今年も素敵なカクテルと、素敵な夜をお過ごしください。
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